毎年相方のお誕生日に、「なぞの旅」という行き先を告げない旅をプレゼントしています。

今年はテント泊で計画したので、さすがにキャンプだということだけは先に言っておいたほうがいいだろな、と思って伝えかけたら、「なぞなんだから、言わないで!」と怒られた。。。

「なぞなまま出発してみたら、なんとその晩はテント泊でした!」というふうにやりたい気持ちはやまやまだったけど(もしかしてギアを先に送っておいたら可能かなとかいろいろ考えはしたのだけど)、さすがに無理っぽかったから、本人にも自分の寝袋くらいは持ってもらわないとつらいし、ということで伝えたのだけど。相方はほんとうになぞがなぞのままであることを強く望んでいるんだなあーと感銘を受けた。

キャンプは最近あんまり行ってなかったし、あんまり今は好きじゃないかもとちょっと心配だったけど、伝えて以来「キャンプ楽しみだなあ」を連発していたので、どうか台風とかそういう感じのものがやってこないでほしいと祈っていました。そして無事、お天気のもと、旅ができました。

ただその後あの大きな台風が来たので、、、言葉につまります。今も大変な思いをされているみなさまが一刻も早く、安心と安全の中で暮らせることをお祈りするばかりです。

木々の間から海が見えるキャンプ場のサイト

今年の「なぞの旅」は、東京駅まで電車で出て、高速バスで水戸へ。そこから2両編成のローカル線で大洗へ出て、海の見えるキャンプ場でキャンプしました。

設営してから散歩に出て、松林の小道を、たきつけにする小枝や松ぼっくりをひろいつつ歩いて、シーサイドステーションというところにあるサザコーヒーへ。ゆっくり日記を書きながらお茶をして、暗くなってからキャンプ場へもどりがてら、キャンプ場そばの温泉の露天風呂でのんびりして、そのあとサイトにもどって焚火料理で ハッセルバックポテトとジェノベーゼパスタ、ピーマンのホイル焼き、即席スープをつくって、暗がりのなか食しました 。

パスタに入れるタマネギを炒め中

このときに、暗がりの中で、プレゼントのミニククサをあげました。

相方はいつも歯磨きセットを持ち歩いているのだけど、その中に歯磨き時に使うミニククサをいつも入れてたのが、少し前に紛失してしまったらしく。前のミニククサはフィンランドへ行ったときにお誕生日プレゼントに買ってあげたものでしたが、今回は手作りしてみました。近所の庭師さんがくださった、湘南のサクラの剪定枝を削りました。

小さいものをつくるの、楽しいです。喜んでもらえた。

そのあとは薪がだいたい燃え尽きるまで、のんびりして就寝。とてもきれいに、不規則に「しゃららん、しゃららん」とうたう虫がいて、うっとり聞き入りました。

朝の砂浜についた鳥の足跡

翌朝は起きぬけに浜を散歩したあと、 浜で拾ってきた流木に生地をまきつけて、焚火で「へびパン」焼きました。

アルミホイルの即席フライパンでパンケーキ型にも焼いてみた。へびパンは相方は初めてだったらしかって、楽しんで焼いてくれました。

浜でひろった流木にまきつけた焼いた「へびパン」
焚火でやいたパンケーキとへびパン、コーヒーを自作の木製キャンプテーブルの上に並べたところ

このあとのんびり浜や温泉でまた過ごして、お昼を食べてから鹿島へ移動。夕方からサッカー日本代表戦(対パラグアイ)を鹿島サッカースタジアムに見に行き、その晩は潮来のかんぽの宿に泊まり、翌朝は昼まで宿でゆっくりしてから鹿島神宮をお参りしました。そこまでが私のプランしたとおりのなぞの旅。

ただ鹿島神宮以降は、私にとってもなぞというか、予想外の展開になりました! これについてはまた別に書きたいですが。。。そして鹿島神宮から駅に戻る道すがら、たまたま目にしたギター屋さんが、これまたふたりともにとって想定外で、楽しかったです。

相方にとってギターと弾き語りは人生でとても大切な要素なんですが、このお店はただのギター屋さんではなく、長年ここ鹿島の音楽カルチャーを担ってきたような場でした。お店の裏手はスタジオがあり、2階には小さなライブ会場まで完備されていて。オープンマイクも毎月やっているそうでした。マスターがよかったら見て行きますかと2階も見せてくださり、いろいろお話をきかせてくださいました。すてきすぎた。

はからずも、キャンプとサッカーとギターと音楽という、相方が特に大好きなものが全部がそろったようなお誕生日旅になったので、なんだか祝福されているなあと思いました。

ミニミニククサの元になったサクラの枝
ミニミニククサのボウル部分をけずっているところ
サクラの剪定枝を削ってつくったミニミニククサ
サクラの剪定枝を削ってつくったミニミニククサ

ククサは自分でつくって自分でつかうものでなくて、人にあげるともらった人が幸せになる、とたしかフィンランドでは言われていました。

粗削り(上の削りくずと一緒の写真はその状態)のあと、布にくるんでゆっくり乾燥させてから、仕上げ削りをしてプレゼントしました。

新しい1年も元気に過ごせるとよいなあと思います。