年末前からしばらくずっとカービングナイフを持てない日々が続いてました。で、おととい、咳はまだごんごんと続いて、咳のたびに痛みが走ってつらかったのですが、ようやく久しぶりに小さいスプンを削れました。グレゴリオ暦新年の初削り。(ただ、咳をするときにナイフを手に持っているのは危ない気がしました、皆さまお気をつけください!)

材は、去年11月にイロハモミジ(イロハカエデとも呼ばれる)でお玉をつくったときに出た端材です。お玉をつくりつつ、「うん?この端材は何かになれそう」と思ったので、水に沈めておいたもの。

ときどき水を替えつつ、かれこれ2カ月近く、水の中に沈めておいたのです。(水を張った器に入れてキッチンのシンクの中に置いてましたが、いちども「じゃま」とは言わなかった相方に頭が下がります。自分はときどき「じゃまだなー、はやく削ってあげないと」とか思っていました。。。💦)。

浸していると水が茶色くなってくるのです、おそらく木の中の樹液が溶け出してくるから。なんども水を替えていきますが、でもやぱり薄茶色に色づいていきます。

少しねろっとしたものが付き始めた感じがしたときに1度、ピュリファンという赤ちゃん用衛生用品(哺乳びんを清潔に保つための液状の殺菌剤)を少し混ぜて見たら、きれいになりました。ピュリファンは「離乳食に使用する食器(陶器、ガラス製、樹脂製、木製のもの)も清潔にすることができます」と商品説明にあるため、これの薄め液に浸した材でスプンを削っても大丈夫だと判断しました。

2カ月沈めてあったので、材の中にあった樹液はかなり水道水(ピュリファン入り)と交換されていたと思います。引き上げて、削ってみて、感触を確かめました。

削った感じとしては、生木(樹液が詰まった)のイロハモミジと変わりない感じでした。ただなんとなく、水道水のほうが、樹液よりも蒸発が速いような気がほんのりしました。なので手早く削るようにした。

(「手早く削らなきゃ」と言いつつ、途中、ストーブでたいた小豆でおぜんざいのおやつを食べましたが。。。)

特徴のあるうねりをもった材だったので、それをそのままなるべく活かす形で削っていってみました。途中、どうしようーなんだかへんな風になっていくーと思ったのですが、それでもしぶとく刃を動かして、「ここ彫れワンワン」と言われた気がするところを削っていくと、最後はこんな形になりました。

トロンとした滴みたいな形。これはこれでかわいいように思えてきました。

水に2カ月も沈められていたから、水のエッセンスが滴形になって表れてきたのかな、もしかして!

基本、なるべく木目に沿っていきました。あんまりたくさん削らずに済む「省エネスプン」です😊 

もともとの木の形状から、匙面裏に繊維が通るようにできたので、匙面をうすーくすることも可能でした。部分的に光が透けるくらい薄くなりましたが、繊維が通っていればそうなっても大丈夫と教わったことがあるので、ほんとかどうか今後検証してみたいと思います!


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