先日、とてもすてきな里山の広葉樹林の一角でグリーンウッドワークさせていただきました。自分にとって、初のワークショップ形式で、しかも初の出張でしたが、朝現地に到着して目にしたそのフィールドに、わあ、と思いました。
桜の舞い散る中、芽吹き出した木々の間……「木削り分かち合い活動」をやっていきたいと思った当初に、いつか、こんなふうな場でできたらいいな、と夢想レベルで思い描いてたのが、まさに実現してしまったかのような半日でした。
お呼びくださったのは、この里山の木々と場のお世話をされているグループの皆さま。穏やかで優しい方々で、すでにグリーンウッドワークのサークル活動をされており、今回はナイフワークを特にやりたいとのことだったので、ナイフ使いの基本などをおさらい的に共有させていただきつつ、枝からナイフのみで(斧なしで)削っていく小さなスプンづくりの工程をご紹介させていただきました。
(スプンづくりの工程はさまざまあるし、人それぞれのスタイルがあると思いますが、最近私が好んでいる工程も数あるうちのひとつです)。
ただ、今回の工程は、直径3センチくらいの枝を半割りにするところからのものなのですが……。
エゴノキやモチノキ、ヤマザクラ、カシなどがあります、と聞いていて、すでに伐られたものから選ぶのかな、と思いつつフィールドに到着すると、グループの(つ)さんが、小ぶりなチェンソー片手に、「今から伐りにいきましょう」と…。
おお、なんと、と思いつつ、グループの皆さんの手で斜面に整備された階段を上がり……やはりみなさんの手で整備されたトレイルの脇に立っていた、上半分に立ち枯れを起こしていたエゴノキを伐ることに。
枯れていないほうの細枝や、その下の幹の部分が使えるなあということで、想定以上の太さの部分も四つ割りにすれば大丈夫かな、と急遽考えましたが……、四つ割りからだとやはりナイフだけでやるにはややハードになってしまいました💦
それでも皆さん、果敢にナイフでチャレンジしてくださり、ありがとうございました。
キャンピングナイフや斧やフローで木割りをして、ナイフで削る……。初夏のような陽気の日で、陽ざしも強いなか、木陰のサークルベンチの場が天国のようでした。(丸太から制作したベンチもグループの皆さんが手掛けたもので、すばらしきクオリティでした)。
普段から木とつきあっている方々が、グリーンウッドワークを通して新しく木と出会っておられているのを目のあたりして、じんわりしました。
なにより一番嬉しかったのは、(つ)さんのお言葉。「エゴノキは使い道のない木というか、邪魔者だったんですよ、これまでは。でもいいですね、削りやすいですね!」。グリーンウッドワークに向く木だということで、エゴノキを見る目が変わったようで、ほんとうに嬉しかったです。
そうなんです、エゴノキは折れたり割れたりしにくく、しなやかさがあって削り心地のいい木。かわいい白い花も咲くし、新緑の葉っぱもきれいです。これからも愛しんでいただければ…!
あんなにもすてきな場で、かように嬉しいお言葉をいただけたこと、思い返しても、まだ、半分夢のようです。(分かち合った内容については、あああんなんでよかったんでしょうかかといまだ思うところがありますが……でも皆さんお仲間どうしていらっしゃるので、今後あーでもないこーでもないとみんなで愉しく探究するネタが少しでも増えていれば、と願い中です)。
ここのフィールドにはこのあたりでも珍しいニリンソウの群生地があって、そこもグループの方々が見守っていらっしゃるそうでした。
天然林もいいけど、里山もやっぱりいいな。人の暮らしの中にある明るい森。
ご縁をくださり、あれこれ助けてくださった、たくちゃんこと柳沢琢美さん(里山保全への取り組み、尊敬しています)、グループの輪にお招きくださった皆さま、身をわけてくださったエゴノキ、日陰やベンチになってくれた木々、ありがとうございました。。!