パートナーに先日贈った「なぞの旅」、最後は鹿島神宮に寄ったのですが、そのとき驚いたことがありました。

事前にちらりと鹿島神宮のことをネットで見て、東京ドーム15個分という広さの境内で、とうてい全部歩ききれないけれど、ここは行きたいな、と思ったのが、境内の奥にある「御手洗池」でした。

池の中央、水の中に鳥居が立っていて、湧き水のおかげで池の水の透明度がはんぱないらしかった。

当日は暑い暑い日で、熱中症にならずにたどり着けるかどうかと思うほどだったけれど、一歩足を踏み入れてみた境内は木漏れ日が幻想的で、巨木の木陰にすがすがしい風が通って、気持ちよく歩けました。

そして御手洗池まで来たところで、その池の上に差し掛かるように伸びていた巨木。これがなんと、私の心の友、スダジイの巨木だったのでした。

この巨木の下から湧き水が出ていて、これが池に注がれています。引水ではなく、この場所が湧水点だそう。

神社はたいてい楠や大杉が要所要所にあったりするイメージだったので、スダジイだったことに驚きました。かつてはこの鳥居が正式な神社への入口だったそうで、ここで半身浴をしてからお参りしたそう。

そのスダジイのとなりにもう1本、スダジイの巨木が生えていて、こちらの足元は、緑のふかふかの苔でおおわれていて、そこに光が一筋まっすぐにさし込んでいて、鮮烈に美しかった。。

池の水も、ほんとうに澄み切っていました。

池は、水の中に立っている鳥居の奥側半分は神の領域だそうでした。スダジイの巨木が生えているのも位置的には、鳥居の奥側になります。そこから鳥居をまたいで手前側へと伸びています。

幹に触れたら、なんか馬の首すじに触れたような感触でした。

もう1つ驚いたことが、お参りを済ませて帰り道、楼門をくぐって外に出ようとしたときのこと。楼門の内側に飾ってあった一対のオブジェが目に留まりました。

輪切りにした丸太とアイアンを組み合わせてある、とてもモダンなオブジェが、ちょうど楼門外側に配置されている随身像と背中合わせになる場所に、左右一対で置いてありました。

よく見ても、どう見ても、輪切りの丸太。自然に入った割れを口に見立てて、目玉にあたるところに金属やガラス球をはめて、横顔のように仕立ててありました。由緒ある神社にしては、モダンすぎる意匠。。。

解説などはなく、帰宅してからネットで調べましたが、なかなか情報に当たりませんでした。でもしつこく調べていったら、境内に生えていた樹齢300~400年の杉の御神木(倒木)を利用して2012年に設置されたオブジェだとわかりました。太陽と月と稲妻をモチーフに制作されたコラボ作品で、タイトルは「神威顕現」とのこと。

御手洗池のスダジイといい、ご神木の杉のオブジェといい、この神社にとっての木々の存在の大きさを想いました。

たいてい神社のあるところは木々が切られずに残っていて、そこだけ小さな森になっていてすがすがしい気が満ちているものだけど、鹿島神宮はなんだかその森のスケール、木々の存在感が半端なく。。。個人的にとても勇気づけられました。

山を覆うように挿し木で増やされて放置されたままの杉たち、病を抱えて、今回の台風で耐えきれず折れてしまった杉たちと、同じ杉でも種類が違うのかもしれないですが、ここの境内にあった大杉にも、ほかの神社で出会ってきた大杉にも、杉本来の神々しさというか、威厳が、ありました。

太陽と月と稲妻を体現できるだけのものだと確かに思える。。

先進国で世界3位の森林率というこの国だけど、ただ森があるだけでなく、それを健やかな森に戻していかないと、気の遠くなるプロセスだけれど、どこからか始めないと、、、今の森の状況について私はなんにも知らなすぎるけど、どこから勉強したらいいんだろうと、考えています。木々が尊厳を取り戻せるように。倒木や花粉症のせいでやっかいものにされるばかりにならないように。。