ちょっと前なのですが、木工用斧でポケットスプーンの粗削りをしているときに、斧で左手の親指を切りつけました。
斧でケガしたのは初めて。木工用斧を使い始めて4年近く経っていて、斧を使うことに対する緊張感がなくなっていて……正直言うと、「このくらい大丈夫」と過信して、材を支えている左手のすぐ近くに斧を入れようとしたときのことでした。
「低い山でも、山をなめちゃいけない」。山登りをしていたころの”隊長”の言葉がよみがえりました。
自分の使っている木工向けの斧は、ヘッド部分の重さがそこまでないほうなのですが、それでも斧としてそれなりに重いし、エッジはスーッとコピー用紙が切れる程度に研ぐようにはしてるので、軽く振り下ろしただけだったけれど、ちょっとザクっといきました。
血がしたたってくるのを見て、やっちゃった、と思い、すぐシンクのところへ行って、傷のすぐ下を右手でぎゅっと押さえ、左手全体は心臓より高くなる位置にしばらくキープ。
血の勢いを弱めてから、軽く水洗いをして、レスキュークリームを塗り。。まだ多少血は滲みだしてきてたけど、湿式絆創膏を貼りました。
切り傷への対応は、レスキュークリーム+湿式絆創膏が自分にとってのデフォルトです。治りが早い(自分比)。湿式絆創膏はある程度傷が治ってくるとおのずと剥がれるのですが、それまでは、ずっと貼りついていて、水分が入るのを防いでくれるので、水仕事なんかも気にせずできるのでよいです。
今回も、湿式絆創膏の下で体液がたくさん出て膨らんでから、引いていき、ケガした2日後にはいい感じで治まって、5日後には湿式絆創膏の上から押しても痛くないくらいまで治りました。
斧がそこまで重さがないタイプだったこと、振り下ろしたときの勢いが最小だったことも幸いしたわけですが。。あっけなく治ってよかったです。
湿式絆創膏さえつけてしまえば、患部をどこかにぶつけるとかでもしないかぎり痛みはゼロ。なのでケガした翌日には、また斧で別のスプーンを削り始めていました。
そのときは最初ほんの少しだけ、斧を振り下ろすのが怖い気がしたのだけど、「斧をなめちゃいけない」ことを思い、過信せずに基本に忠実に進めることで、かつてのような「大丈夫感」「安心感」が戻ってきました。
■改めて、斧を安全に使うための覚書き
グリーンウッドワークに親しむ人が増えてきていると、お仲間から聞くことが増えました。みなさまが安全に安心に斧を使えていることを願ってますが、ちょっとした過信がケガにつながるのが斧です。あらためて、安全面での基本を書きだしておこうと思います。
以下は、最初にグリーンウッドワークでの斧使いを教わったヨッゲ・スンクヴィストさんと、そのお父さまのヴィッレ・スンクヴィストさんの本からの受け売りですが、どちらも未邦訳なので、ご紹介がてら絵にしてみました!
①作業中に、斧を置くとき
②作業中に、斧を持ち運ぶとき
③はつるときのスタンス
④はつるとき念頭におきたいこと
【以下は本からではないのですが、これまでに教わってきた基本事項です】
*脇をしめて、ひじをなるべく胴体につけておくと、振り下ろす動作も、材を支えている手も、安定する、とヨッゲさんには教わりました。
*自分が振り下ろすというよりも、「斧の重さに仕事をしてもらう」感覚で。
*基本、斧は常に垂直にストンとおろして(材を傾けて角度を変えることで、斧が材に入る角度や位置を調節)。
*手首のスナップをきかせて、弧を描く軌道で斧を振り下ろすイメージで。
■効率よくアックスワークを進めることも、安全の素
疲れすぎずに効率よくアックスワークを進めることも、安全の素ですね。
そのためには、ざっくりはつるときと繊細にはつるときのメリハリを。ナイフワークでもそうですが、パワー系とコントロール系をメリハリをつけて使い分けると作業効率がアップします。
ざっくりのときは。。「ザクザク、ストン」方式で。下から上に、ザクザクと切れ目を入れてから、その切れ目たちの奥を一直線につなげるように、上からストンとはつると、一気にたくさんはつれます。
繊細にはつるときは。。斧のヘッドに近いところを持って。
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