先日、オイル塗装について書いた中で、「酸化済み亜麻仁油(スウェーデン製)」「えごま油(紅花食品の)」「ブッチャーブロックコンディショナー」の3つの乾燥具合を観察する実験について書きました。
自分としては亜麻仁油に期待していました。かつて床材の「リノリウム」が亜麻仁油からつくられていたそうで、そのくらいしっかり水をはじく塗膜※をつくるならいいな、と思ったのです。
※木製品に乾性油を塗った場合は表面に塗膜ができるのではなく、木の表層に浸透して耐水層をつくることになることをご留意ください。
では、以下に観察結果を!
■オイルの乾燥時間の観察結果
3種のオイルは、はじめ滴を垂らした状態ではこんな感じ↓でした。
でも少したってから見たら、酸化済亜麻仁油はしずくの輪郭がくずれ、うすーくのびました(自分がトレイを手に持ったときにそうしちゃったのかもしれません💦)。えごま油もそうなりましたが、えごま油はうすくなった場所と厚みのある場所とにまだらになりました。ブッチャーブロックコンディショナーはほぼ同じ状態。
11月20日から観察し始めて、気温はだいたい最高17度くらい、最低5度くらい。窓をしめきったサンルームの中に置いていました。
【約3日後】
指の腹でオイルの表面に触れてみると、3つとも指にオイルがくっつきました。まだどれも乾いてなかった。
【約8日後】
●酸化済み亜麻仁油: まだカンカンには乾いてなくて、指で触れるとにじむ。
●えごま油: 薄くなったところはカンカンに近くなってる(わずかに指につく)。厚いところはまだ。
●ブッチャーブロックコンディショナー: まったく変化なしみたい。
【約13日後】
●酸化済み亜麻仁油: カンカンに乾いている。まったく指につかない。厚みは薄ーいけど塗膜化した。
●えごま油: 薄いところも、厚いところも、どちらもカンカンに乾いて、塗膜化している。
●ブッチャーブロックコンディショナー: あまり変化なし。多少はおちついてきたかも?
■観察結果からわかったこと
ということで、乾きの速度は➀エゴマ油、➁酸化済み亜麻仁油、➂ブッチャーブロックコンディショナーの順に速くて、➀は1週間半くらい、➁は2週くらいおけばしっかり乾くみたいです。まだ乾ききってない➂は、引き続き観察を続けます!
①えごま油について
えごま油の塗膜がしっかりしていることに、驚きました。分厚く残ったところもしっかり塗膜化していました。これが熱にどのくらい強いのか?を今度は検証したいですが、これだけしっかり塗膜化するなら、だいぶ保護になってくれそうです。
えごま油は、塗って1週間半おけば、しっかり酸化がすすんで塗膜ができあがると思われます。それ以前から使い始めてしまってもいいとは思うんですが(自分はこれまでもっと短いスパンで使い出してしまってました💦)、でもその場合は未乾燥のえごま油が飲食物にうつって、風味を損なう可能性が。ぐっとがまんして、しばらく乾かしてから使い始めるのがよさそうです☻
②酸化済み亜麻仁油について
酸化済み亜麻仁油は、非常に薄くのびましたが、堅牢な感じの塗膜になったので期待どおりです。厚みがあるときはもう少し日数を置いたほうがいいのかどうかを要検証です。また滴を置いて、こんどは滴の輪郭をくずさないように気を付けて、観察してみたいです。
③ブッチャーブロックコンディショナーについて
ブッチャーブロックコンディショナーの中の蝋は、どうやらあまり固まらないらしいことがわかりました。仕上げに塗膜をつくるには向かないかもしれません。でもそもそもの用途は木のまな板のお手入れ用なので、使い出してしばらくしてくたびれてきたな、と思ったときに木に油分を補ってあげるにはよさそうです。
■追記
注意したい点:木製品に塗った場合は表面に塗膜ができるのではなく、木の表層に浸透して耐水層をつくることになります。木に浸み込んだ状態での酸化にはもっと時間がかかると思われます(特にどぷっとたくさん浸みこませてしまった場合は、奥に浸み込んだ部分には酸素が届きにくくなって、かなり時間がかかることに)。一度にたくさん浸みこませないことが大切と思います。
えごま油の塗膜の耐熱性についてと、くるみ油の乾燥時間について、観察実験を追加しています。よかったらそちらもご参考に😊
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