コルローズという、木製品に手彫りで模様を入れるやり方は、海外では緻密なパターンをたくさん描くような感じでなさる方がいて、すごいなーと思いつつ眺めています。。

△イギリスのアダム・ホーカーさんによる、コルローズの手順を簡単に説明した動画。

でも自分はまだ及び腰💦 なので、ほーんの小さなワンポイント模様を入れて、悦に入っています。

ワンポイント模様でも、入るとかわいい。。。!コルローズ用ナイフの扱いはまだぜんぜんへたっぴですが、でも気にせずやってみています😊

先日は、結婚のお祝いに差し上げたくて、バターナイフの先端に「♡+♡」という模様を入れてみました。おふたりのことを想いながら彫ってみた。(もっときれいに彫れたらもっとよかったんだけど。。💦)

コルローズは、原理としては、つるすべに仕上げた表面に、鋭利なナイフの先っちょで模様を刻み、その刻まれた窪みに「細かくすりつぶしたコーヒー粉(or 炭やシナモンなど)+乾性油」のブレンドを入れ込んで、色付けするというもの。そうすると焦げ茶色の線が浮かび上がります。そのあと上からボタンようなものでこすって、表面を均して(刻みを入れたときに開けた繊維をまた閉じて)艶を出します。最後に全体に乾性油を塗って仕上げてできあがり。

※アダムさんは、模様を刻み終えたら、まず全体に乾性油を施し→模様を刻んだ溝の中に油をしっかり入れ込み→模様の上からコーヒー粉(乳鉢ですって極小の粒子にしたもの)を振り、指で広げてなじませ→溝に入らなかった粉を布で拭き取り→表面をこすって均し艶を出す、という手順でやっておられました。

コルローズには、カービングナイフの切っ先を使うこともできます(切っ先以外の部分にテープを巻いたりしてあげると安全です)が、クラフトハウスの井丸富夫さんがあるとき手づくりのコルローズ用ナイフを販売してらして。。。一目惚れして買わせていただきました。

クラフトハウスの井丸さん作のコルローズ用ナイフ。刃を保護するキャップは 篠竹製。

刃も、ろくろ挽きの柄も、もちろん井丸さんの手になるもの。佇まいが美しいです。コルローズ用ナイフの柄尻は、表面均し&艶出し作業にちょうどよく使える形になっています!

そしてさらに。井丸さんはコルローズ用の治具も考案されています。コルローズしたいスプーンなどをしっかりと固定できて、彫りの作業が ぐんと しやすくなる、というもの。

コルローズ用治具と、ナイフ。

とても安定がよくなるので、スプーン本体を支えて安定させることに労力を割かずに済み、コルローズナイフの動きを制御するほうに全力を注げます。

これを使うと、勢い余ってナイフが思わぬ方向に行ってしまう悲劇が減りました(刻みたい模様のラインが材の繊維を横切る方向のときは、繊維を断ち切っていくことになるので力が必要で、そんなときぐっと力を入れた勢いで、意図した場所をはみ出して線を刻んでしまうときがあるんですよね💦 カーブを描く線を刻むときなども、これが起こりがち💦)。

この治具、一見するとシンプルですが、細やかな配慮がこめられたデザインになっていることが使ってみると実感できます。

スプーンの首元を台に固定するための金具ももちろん、井丸さん自らが鍛造されたものなんですが、まず、押さえ金具の高さや押さえ具合は、裏側のネジで調節できるようになっています。

この押さえ金具は、コルローズしたいスプーンの大きさに合わせて、台に開いている2つの穴のどちらかに挿して使えます。

台にはV字の溝が切ってありますが、その溝の深さや幅も場所によって異なっていて、台がさまざまなサイズのスプーンにフィットするよう工夫してあります。

台の下面の左右は大きく面取りがされていて、片手で台を持ってコルローズするときにも、手にしっくりと収まるようになっています。

さらに嬉しいことに、手に持って作業するとき、支えるほうの手の負担にならないよう、台はとても軽い桐の材でできています。桐の材はやわらかさもあるため、スプーンをやさしく&がっちり抱え込んでくれるのもいいところ。

首元に押さえ金具の跡がつかないよう、ティッシュを挟んで使っています。

台の下面の上下の先端は、机に置いたときにピタッと収まる形。机に置いて作業する場合もカンペキに安定します。

取り回しがしやすくなって、秀逸な治具です!

コルローズの愉しみがぐんと増すこのコルローズ用治具とコルローズ用ナイフ。。気になる方はクラフトハウスさんのFacebookページからお問い合わせしてみてください😊


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