最近、カトラリのくるみ油での仕上げを試みています。これまでは乾燥の早さからエゴマ油を好んできましたが、白さの際立つ樹種をえごま油で仕上げると、だいぶん黄色っぽくなっていくのがちょっと残念だなーと思うようになってきた。
亜麻仁油もやっぱり黄色みが出る。その黄色みが、木の本来の色といい化学反応をしてくれる場合ももちろんあるのだけど、白さがきれいな木の場合はオイルの色が勝ってしまいます。酸化が進めば進むほど、そうなるみたい。
そこで、くるみ油はどうだろうか、と思った次第です。
くるみ油は、酸化済み亜麻仁油のオルタナティブとして、ヴィッレ・スンクヴィストさんの著書で紹介されている仕上げ油です。
親しくさせていただいてるすばらしきグリーンウッドワーカー(そして最近うぶやま時間という週末限定カフェを熊本のヒゴタイ公園キャンプ村内にオープンされた!)堀江宏喜さんも、くるみ油でスプンを仕上げているそうで、それも後押しになりました。
これまでは、くるみアレルギーの方がいらっしゃることを考えて、口に入れるカトラリにくるみ油を使うことを避けてきたのですけども、時と場合に応じて使い分けができるのもいいことかなあ、なにより木肌の美しさをもっと引き出せるならひとつの選択肢にするのもアリかなあと思い至りました。
エゴノキは肌の白さが秋田美人な感じの木です。削り心地がもっちりしていて、実に気持ちいいのです。マテバシイもとても削り心地のいい木で、こちらは白地にベージュの木目が美しかったりする。
こうした樹種の美しさを、くるみ油なら活かせるのか?見てみています。
今のところ、黄色みがつくことはあまりなく、いい感じです。引き続き観察を続けます♡
(ただやっぱり2ヶ月くらい経過すると程度の差はあれ黄色みがでてくるかなあ、と思っています)。
【追記】悲報。。その後くるみ油経験の深い堀江さんより、くるみ油もやはり黄色みが出ると教わりました。。でも!同じ黄色になるにしても、香りの面でくるみ油に好印象を持ったので、いましばらくくるみ油と親しんでみたいと思います😊
■くるみ油の乾燥速度の観察実験
くるみ油の乾燥速度について、以前えごま油と酸化済み亜麻仁油でやったプラスチックトレーに一滴落とす観察実験↓を、またやってみてます。
1度目は、非加熱のままのくるみ油。7月9日からエアコンをきかせた室内(気温25度~28度前後)に置いて観察開始。約13日後、カンカンに乾いて、まったく指につかなくなりました。
2度目は、湯煎で加熱したくるみ油。こちらは8月4日からエアコンをきかせた室内(気温25度~28度前後)に置いて観察開始してますが、8日後、しずくの外縁はすでにカンカンに乾いてきてます。真ん中の厚みのある部分は触れるとまだ指につきますが。
*湯煎で加熱したバージョンをやってみたのは、ヴィッレ・スンクヴィストさんの著書に「くるみ油の硬化時間は(酸化処理済みの)生絞りの亜麻仁油とほぼ同じですが……くるみ油を容器に入れて湯煎で温めると、硬化を早めることができます」とあったからです。
■観察結果から(今のところ)わかったこと
ヴィッレさんの著書にあったとおり、非加熱のくるみ油がカンカンに乾いて塗膜化するまでの時間は、酸化処理済みの亜麻仁油とほぼ同じで、約2週間でした(亜麻仁油の実験時よりも気温の高い環境ではありましたが)。
湯煎で加熱すると、これが約8日に短縮されるようです。ただ、滴の厚い部分はまだ指につくので、引き続き観察を続けてみます。えごま油は薄い部分も厚い部分も2週間後にはカンカンに乾いていたので、それに匹敵するかどうか、また追加報告します!
■追加報告(2021/8/29)
いろいろあってご報告が遅れましたが、湯煎したくるみ油の乾燥時間実験ですが、8月4日に実験スタートしたものは、8月16日には滴の厚い部分も乾ききっていました!ということは、12日間。
こうなると、えごま油よりも湯煎くるみ油のほうが、少し早い、ということになります(実験時期の季節の違いを無視するならば、ですね)。
くるみ油は常温よりも湯煎したほうが乾燥時間が短縮される、というのは確実にいえそうです。
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