今日は最近試しはじめたバーニシング(burnishing)という艶出し工程について書いてみます。

noteのほうでは、ホームセンター愛が高じて、またしてもグリーンウッドワークではない”インスタント木工”について書いたりしてしまってたので💦こちらではGWWのことを書こうかと!)。

グリーンウッドワーク好きなみなさまは、サンドペーパーを使わないナイフフィニッシュの気持ちよさに魅了されている方も多いと思います。

よく砥いだナイフがつくるツヤピカ面の手触り。。。これもひとつの沼、なのだろうな、と思いつつ。

わたしもこれまで、ナイフと木目の流れのコンビネーションによって生まれるツヤピカ面にうっとりしてきたほうなのですけども、最近好きになってちょっと動画などを拝見させていただいているイギリスのスプーン削り手、Deborah Shneebeliさんがこのバーニシングについて紹介している動画を見て興味が湧きました。

工程としてはまったくもってシンプルです。仕上げ削りが終わったスプーンを、波などに洗われてなめらかーな表面になった小石などでこするのです。

前に近所の浜で拾ってきていた、まんまるの小石がちょうどあったので、やってみました。

実験台のミニスプンは、エゴノキくんで、今回もさじ面左上に節が出てきた1本です(なんのラッキーの印でせうか?この位置に節が出ることが多すぎる気が💦)。

仕上げ削りを終えた時点で、自分の現在のナイフで出せる最大のツヤピカ面にはなってたんですが、小石でこすっていくと。。。さらになめらかな「ツヤとろ」な手触りになりました♡

写真がわかりずらいかもですが、上がさじ面裏の左半分だけバーニシングしたところ。下が全体をバーニシングをしたところです。ツヤピカ面が広がっているのがわかるでしょうか?

バーニシングには鹿の角なども向くそうです。磁器製の乳棒とか、金属製ティースプンのさじ裏など、なめらかで曲面のある物体ならなんでもよいのだろうと思われます。が、ミニマルな道具でのグリーンウッドワークを志向している身としては、浜辺の小石が道具箱に加わるのはなかなか愉快です。

サンドペーパーは表面に極細かな傷をつけつつ研磨していくので、どちらかというと繊維を起こす行為になるわけですが、バーニシングは逆で、繊維をぎゅっとプレスダウンしていくことでなめらかな面を出します。繊維が圧縮されることで表面の強度も上がるらしい。表面にある極小の孔もふさがるらしい。

やってみると、なんともいえない、しっとりした艶感が出て。。。おどろきました。

樹種によってバーニシングの効果の出方も違うそうです。いろいろ試してみたいです。

オイルを塗る前にやる?後にやる?

バーニシングしても濡れるとまた繊維が毛羽立つんだろうか?という疑問が残りますが、その実験はさせおき。まずはこのつツヤとろ状態にしておいてオイルで仕上げてみました。

バーニシングをしたエゴノキノミニスプンにオイルを塗ってみたところ、同じエゴノキのミニスプンと比べて、バーニシングをしたほうのスプンはオイルが奥に浸みこんでいかない感じ。オイルがつややかな表面の「上に乗る」感じがしました。

デボラさんが以前、別の動画だったかで、オイル塗装について「オイル含浸させるとかいうふうにされている方たちがいらっしゃるけれど、自分個人としてはその必要を感じたことがないんです」とおっしゃっていたことを思い出しました。デボラさんは、ほんの少量のくるみ油を布にとってさっと塗るだけにするのを2,3回繰り返しておしまいとのこと。そのわけが実感できた気がしました。

バーニシングをしたスプンは、そうでないスプーンのようにごくごくオイルを飲み込まないから、「さっと塗り」で終わりになるのでしょう。

バーニシングをオイルを塗る前にやるか、後にやるか、ということに関しては、人それぞれみたいです。用途にもよるのかな?

私も試みに、オイル仕上げをしたあとの乾燥待ちの途中だったバターナイフにもバーニシングをしてみましたら、これもツヤとろになりました。バターナイフのブレード部分がツヤとろになるのは特に愉快です😊

△エゴノキのスプン3兄弟&ロウバイのバターナイフ。バターナイフはくるみ油仕上げ後にバーニシング。右端のスプンはバーニシング後にくるみ油をさっと塗り。左の2本はくるみ油のみでバーニシングなし。(どれもナイフフィニッシュ)

ヒサカキという樹種のスプンも、くるみ油で仕上げた後の乾燥待ち期間にバーニシングしてみました。

△ビフォー。
△アフター。写真ではわかりにくいですが、手でさわると違いがはっきりわかります!

ということで、バーニシングはオイルの前でも後でもいいんだろうと感じますが、オイル前にバーニシングをすると、オイルの節約になりそうに思いました。

身ひとつで森でできるようなミニマルなグリーンウッドワークを目指す身としては、オイルの量が少なくていいのは朗報です。スプン1本のオイル仕上げにはくるみが数粒あれば十分、というのはロマンがある。。。

バーニシング、効果は樹種によっても異なるみたいですが、ツヤとろ感がお好きな方は一度試してみるのもおすすめかもしれません。ちょうどいい小石が見つけにくい環境の方には、うちの近所の浜の小石でよければお送りすることもできるので、お気軽にメールください😊


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